「小説 スマイルプリキュア!」 雑感想
※ネタバレしかないので注意をば、、、
10月4日に発売されました、「小説スマイルプリキュア!」を読み終えました。
今作は、「スマイルプリキュア!」の10年後を舞台に、みゆき達5人がそれぞれの壁にぶち当たるというストーリー。
大まかな感想を1章ずつ、、、
- 第1章 星空みゆき
星空みゆき24歳。七色ヶ丘駅前の書店でアルバイト。「ふれあいキッズひろば」で毎日、自身の創作絵本『最高のスマイル』を朗読している。毎日通ってくれていた女の子、よしみちゃんと仲良くなれた矢先に閉店が決定してしまい、それをしったよしみちゃんは家に閉じこもってしまう。
まず10年後の設定がいきなりリアルというか、ありそうな設定で驚かされた。
この章ではみゆきが童話作家になろうと奮闘していた過去も判明するのだけれど、その先がここという。苦労が滲み出るお話。
ゲスト?のよしみちゃんが閉店の決定で塞ぎ込んでしまい、どうにか元気になってもらおうと家まで赴くみゆきは書店員という枠を越えていたような…
5人の中でも一番解決しないで終わったのはこの章なのかなと全部読み終えて思う。
この年齢にもなって遅刻しまくってるのは流石に笑った。
良くも悪くもみゆきがそのまま。
- 第2章 日野あかね
日野あかね24歳。彼女はお好み焼き屋「あかね」を継いでおり、ブライアンに恋する真っ只中。海外武者修行の途中にブライアンと出会い、そのままホームステイ。その後、日本留学をするブライアンと4年間同じ屋根の下に住む。
まさかブライアンをここまで引っ張ってくるとは思わなかった。元のお話が好きなだけに、それ以降何も無かったのは心残りだったのでこういう形で補完されるのは嬉しい。
高校生で武者修行、ブライアンの家にホームステイして、そのまま帰ってきてブライアンと同棲ってここにきてブライアンめっちゃ出てくる。
最後の章でもやたらいじられていたし。
しかし口調があかねなので全文関西弁なのが面白い。
- 第3章 黄瀬やよい
黄瀬やよい24歳、「週刊少年スマイル」で7年間も「ミラクルピース」を連載している売れっ子漫画家。父親の命日を締切に追われ忘れてしまい、それ以降マンガを描くのが辛くなり連載を終了する。
やよいちゃん、超売れっ子漫画家になってるしミラクルピースが7年間もやってるしメディア展開までしていて一番の出世頭になっていた。。
それにこの章は家族とのお話に落ち着くんだけども、やよいちゃんのメイン回の延長戦のようなお話になっていて、とても読みやすかった。
でもまさか高校中退しているとはすごいなと、、
- 第4章 緑川なお
緑川なお24歳。母校である七色ヶ丘国際大学でサッカーのコーチをしている。二年前の事故で右足を骨折。後遺症により選手生命を絶たれる。
まさか足を骨折していたとは。色々な所からスカウトがきても七色ヶ丘に残ったりと家族想いな所がなおらしい。
それにお節介かと悩む姿は新鮮で大人になっているのを感じさせられた。
正直他のみんなよりもなおのままだった気がする。それでも辛い出来事が起きているのは考えたくなかったけど。
結婚するアテもないってのはちょっと〜いらないよ〜その文〜いやいるよ〜
- 第5章 青木れいか
青木れいかは七色ヶ丘中学2年1組の担任教師。担当教科は国語。ある時生徒から、自分に対する否定的な手紙が届き教師としてのあり方に苦悩する。
このお話が個人的には一番面白かった。というより、れいかさんがしっかりした大人になっているというのが鮮明に思い浮かぶ。中学でも優秀な先生で、みんなから慕われているのも納得。
入江君に補習をする姿は、まさに先生。また大人になっているのを実感。
でも悩みに悩んで解決した直後にこの世界が虚構だとわかってしまうというのは、ちと腑に落ちないかな。
それまでの章もそうだけど、嘘の世界であるというのはあんまり好きな設定ではなかった。それじゃ今までみゆき達が解決したのは意味がなくなってしまうし、せめて未来同じような事がおきますよ〜程度の補足は欲しかった。
確かにキャンディを助ける、ジョーカーを倒すっていうのはプリキュアとしたら最重要かもしれないけど、それまでの悩みだったりが全てその解決の為というのが少し悲しいというか寂しかった。
話を戻すと、れいかさんジョーカーとめっちゃ絡むし、ジョーカーもれいかさんに固執しすぎじゃないか、大人のまま変身した姿見てみたいとか言ってるし。
大人になったれいかさん美人すぎない?
- 第6章 最高のスマイル
全員の話が終わった後、時は中学校の卒業式前に遡る。
卒業旅行の計画を進めていると、突然みゆきの絵本、「最高のスマイル」が動き出し、ジョーカーが現れる。
実は今までの世界は復活したジョーカーが作り出した『絶望の物語』であり、みゆき達は子供のまま記憶を消され大人になっていたのだ。
大人のまま不思議図書館に帰ってきた5人は、それぞれの希望を胸に「大人プリキュア」にメタモルフォーゼして戦う!
ここは普通に「スマイルプリキュア!」。まさか未来を体験させられていたとは思わなかった。というより思えない。
ここまで読んでトッキュウジャー思い出した。
大人プリキュアに関してはいい感じのサプライズというか、子供に戻らないで変身というのは小説ならではでよかった。
最後にみゆきがジョーカーも受け入れるのは、なるほどなあ。と関心してしまった。確かにジョーカーがいなかったらもしこれから絶望の未来を辿ったとしても解決に時間がかかっていたかもしれない。
それに5人が絶望を感じて乗り越えたって体験をしたのだから、これからの糧にもなるだろうし。
この本の終わりがタイムカプセルになっているのは、ちょっとよくわからないけどもめちゃくちゃ寂しい気持ちになってしまった。
最後の方の急な展開はスマプリっぽいんだけど、ほんとに丘の上に行ったってところで終わってしまうんやもん寂しいわ。
次またあるのなら、今度はほんとに大人になった5人の物語が読みたい。
小説プリキュアシリーズで同じ作品が出るとは思えないけど、他の媒体でもいいからやってほしい。
小説シリーズで言えばドキドキの小説はまだかな?
仮面ライダーもしばらくしたらゴーストが出てくれるかなー?
とまあ、なんとも言えぬ寂しい気持ちになる「小説 スマイルプリキュア!」。
多分一番驚いたのは、テレビシリーズの回想のような文章を読む度に頭の中でアニメの映像が鮮明に思い出せたところ、こんなにも自分がスマイルプリキュアに思い入れがあったのか〜と気付かされてしまった。
ぜひこの本はスマイルプリキュアに何かしらの形で希望を貰っていた人に読んでほしい。
辛い現実も乗り越えられるかもしれない気になってくる。
ぜひとも読んでほしい。
テレビシリーズ、また1話から見ようかな。