「ポケットモンスター カントー・オレンジ諸島編」視聴完了
Amazonプライムで1話から見ていた、アニメポケモンカントー編をついに見終えた。
自分はAGからの世代なので、ある意味完成されたアニメ・ポケットモンスターを見ていたのだと痛感した。
特に、第1話〜第40話辺りの話は現在のアニメポケモン、いやサンムーンは置いといてXYZまでのポケモンとは根本的に取り扱う問題が違って、ポケモンを人に限りなく近い生物として描いてるのがよくわかる。
もし、我々の住む世界にポケモンがいたらどんな問題が起きるか?ポケモンがどういう扱いを受けるだろうか?といった考察をしていった末の作品群が、カントー編初期のエピソードなのだろう。
ディグダによってダムの建設が邪魔される話や、スリープの催眠術によって子供に副作用がもたらされてしまう話等、ポケモンの優しい世界だけでなく、ポケモンが居ることによる害もしっかり描写されている。
それ以外で特に印象に残ったのが、いしで進化するポケモン愛好家だけのコネクションを作ろうとしていた兄弟の話。確かに、現実でも同じ動物を飼ってる・同じ趣味を持つ人同士でコネクションを作ろうという動きはあるし、ポケモンでも同じ事があって可笑しくないという事なのだろうが、曲がりなりにも子供向けアニメで、ここまで細かく、バラエティに富んだ「ポケモン世界で起こりうるシチュエーション」を用意してきたのには目を見張った。
約1年分の50話までで描かれたのは、「人間とポケモンの共存する世界」が中心であったと思うのだが、次第にギャグやドタバタメインのエピソードも増えていく。
それが悪いとは思わないし、放送が長期化するとある意味テンプレ化してしまうのも仕方がないが、初期エピソードで見せられた世界があまりにも魅力的で、もっとこの世界のディープな部分を見ていたいと期待してしまった。
カントー編終盤のポケモンリーグ セキエイ大会は、サトシがゲットしたにもかかわらず使用されなかったクラブ・ベトベトンが大活躍する驚きの展開など、それまではなかった満を持してのバトル中心エピソードがとても良かった。
ヒロシとの友情も、2代目のオープニングが言う通り正に「ライバル!」。
そのヒロシとのバトルでサトシが負けた直後、リザードンが言うことを聞かないせいというほぼ不戦勝にも関わらず、自分の負けを潔く認めたシーン。それまでの自分本位なガキであったサトシが1つ成長したとてもいいシーンであった。次のエピソードで「リザードンが言うことを聞いてさえいれば勝てた」と喚き散らしているが、負けたのに平常運転である事の方が驚きである。仲間の前で弱い部分を隠そうとしているのも、主人公としてパーフェクトではないか。
そんなサトシはポケモンリーグを経てさらなる成長を見せる。なんと目上の人に敬語を使うのだ。今までのサトシは敬語なんか使ってこなかったろう。ジュンサーさんにも、「何かあったんですか」と敬語を使うし、ジョーイさんにも「何とかしてください」と敬語を使う。いや正しいけど、あまりにも突然すぎて受け入れ難い。
せめてジョウト編までは敬語なしでお願いしたかった。
というか敬語を使うサトシの方が慣れ親しんだサトシの筈なのだが、成長しきったイメージを持ってしまって、今は成長途中の未熟なガキ・サトシが愛おしい。
オレンジ諸島編に関しては、自分のよく知る「ポケットモンスター」という感じで、特に思う所もなかったので割愛する。ウチキド博士が色っぽくてスタートダッシュは良かったのだが、純粋に退屈だったから…
ニャースを神と崇める島での1件も、ロケット団の絆を描いたエピソードなのだが、如何せん「ニャースのあいうえお」の完成度が高すぎて、二番煎じにしてもお粗末な出来だったと思うし。
ピンクポケモンの島が出てきてバタフリー関連が補足されるのかと思ったら、その島のポケモンはゲットしてはいけない保護区域だったり。
それでも唯一、サトシとリザードンが通じ合う回は涙腺が緩んでしまったが。50話程かけてようやくサトシのパートナーとしてリザードンが活躍するのは、それまでを見てきたからこそ感慨深い。
出会った頃と同じように、しっぽの炎が消えかかって…というのもニクイ。
そんなオレンジ諸島編を乗り越えて、やっとお目当てのジョウト編へと辿り着いた私。
次なるエピソードは一体何が待ち受けているのか!
ポケモンを見る日々は、まだまだ続く。続くったら、続く。